自由コラム

自宅療養の日本

日本にいる良く知っている人が発熱外来で検査を受けたら陽性になった。保健所からヒアリングを受けたのは2日後だった。50代でワクチンも受けられていなかったし、咳き込み熱も下がらないので宿泊療養を求めたがそんなものはどこにもなかった。同居する家族はひょっとしたら自分がうつしたかもしれないと思い、保健所に検査を求めたが相手にされず、ちょっと驚いた。苦しくなったら救急車を呼べと言われたものの、その救急車もなかなか病院を見つけられないらしい。結局、本人は重症化しないことをお祈りする以外になすすべのないまま10日間を自宅で過ごした。来ることになっている食料品はついに届かなかったので、かなり疑わしい「濃厚接触者」の家族がその間も買い物に出かけざるを得なかった。これはバックストップのない危険で不安な「自宅療養」の現実と知り、こんなことになるまで他に手立てはなかったのかと思う。

編集委員 小関 達朗