デュッセルドルフ日本商工会議所
会頭 奥村 信一
去る1月29日の総会で新会頭にご選任いただきました奥村でございます。何卒、宜しくお願いいたします。簡単に自己紹介させていただきますと、1993年に旧三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行、その4年後にドイツ語研修生としてブレーメンに派遣されて以来、東京とドイツ(フランクフルト、デュッセルドルフ、ミュンヘン)間の転勤を繰り返し、途中トルコ(イスタンブール)駐在も経て、2019年7月より2回目のデュッセルドルフ勤務をしております。ご承知の通り、当地は他のドイツ都市に比べても圧倒的に日本関連インフラが充実しているうえ、日本人・日本コミュニティーに対する理解度も欧州随一ではないかと感じています。また、初めてデュッセルドルフ駐在となった15年前と変わらず、暮らしやすく便利で居心地の良い環境が整っていると常々感じております。これも偏に諸先輩方並びに地元の皆様方のこれまでのご尽力と州・市政府のご支援・ご協力の賜物であり、心から感謝の念を表したいと思います。
そんな思いからデュッセルドルフに弊行が設立された当時の状況(1959年)を紐解いてみたくなり、約60年前の駐在員が残した記録を読みかえしてみますと、①当時の日本人社会は合計数十人程度でハンブルクの数百名に比して遥かに少人数であったこと、②そのため、当地では日本人に対するまだ馴染みがないためか、住居を借りるため新聞広告を出しても反応がなく苦労したこと、③日系企業進出数も限定的ながら、1960年代に入ると徐々に増え始め、「本邦への輸出拠点(重化学製品・機械輸出)」という位置づけから「対欧州域内向けの輸入拠点(重化学製品)」という性格へ変化し始めたこと、という内容が残されておりました。上記①と②はまさに隔世の感を禁じ得ないというところでしょうか。
さて当商工会議所では、会員企業に対するドイツの法律・税制やビジネス情報、会員企業交流の場の提供、ドイツ産業界とのネットワーク強化、対外的なロビー活動等を行っております。商工会議所の活動は会社関係以外の方にとってはあまり馴染みがないかもしれませんが、日本国総領事館・日本クラブ・日本人学校・JETRO、州・市政府と連携を取りつつ、当地における日本人社会の発展並びに日独経済交流・日独親善にこれまで大いに貢献して参りました。
現在、約540社の会員企業を有する当商工会議所は在欧日本人商工会議所としては最大規模ですので、日本側並びにドイツ側各機関との連携のみならず、各地の日本人社会との連携も積極的に行いつつ、さらに頼りがいのある商工会議所を目指して参ります。また日本クラブの皆様をはじめ関係諸団体様のご協力を仰ぎつつ、日独親善の更なる深化に取り組みながら、当地での日系企業並びに日本人社会の存在感を更に高めていきたいと考えております。色々と至らぬこともあろうかと思いますが、皆様の暖かいご指導・ご支援を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。