日本商工会議所だより

1月19日(火)新春講演会「2021年ドイツ・世界経済見通し」

デュッセルドルフ日本商工会議所は、ジェトロ・デュッセルドルフ事務所、フランクフルト日本法人会と共同でゲアハルト・ヴィースホイ氏(日独産業協会(DJW)理事長/ベルリン日独センター評議会議長)による表題講演会をオンライン開催しました。当日はデュッセルドルフのみならずフランクフルトやミュンヘン等、またドイツ国外ではUKや日本など遠方からの参加をいただき、総勢134名という大規模なものとなりました。

冒頭、在デュッセルドルフ日本国総領事 岩間公典様よりご挨拶を頂いた後、フランクフルトのオフィスからヴィースホイ氏による講演が始まりました。

講演内容は1)2021年ドイツ、世界経済見通し、2)政府債務残高増加はリスクか、3)欧州政治の今後の動向 の3本から構成され、まず現下のコロナ禍について氏ならではの興味深いエピソードを披露されました。氏は最近ウイルス研究の権威ドロステン教授(シャリテ大学病院ウイルス学研究所)と直接話す機会があり、同教授によれば、現在のドイツ国内で行われているロックダウンではまだまだ不十分で、もっと人の交流を制限する必要がある、ワクチン接種が始まったものの、この夏までにワクチンを接種できる人は15 - 20%程度と予想され、5月になると選挙戦が始まり政治によるロックダウン支持が弱まるので、夏にかけて決して安心してはならない、と主張されていたとのこと。

航空会社はいずれもコロナ禍の影響を強く受けていますが、ルフトハンザは2020年の売り上げが前年比70%減少したものの、経費も50%削減できた。燃費の悪い航空機を売却するなどして2021年の搭乗率がコロナ前の40%のレベルでも利益が出る体質に変わりつつあるということです。デジタル化が遅れていた中小企業にも一気にデジタル化の波が押し寄せ、ホームオフィスが急速に進展したこと、ESGスコアの高い企業の株価が比較的堅調なこと、ホームスクーリングが浸透したこと、食生活にもベジタリアンが増えるなど、今回のパンデミックは企業、個人の生活にも大きな(必ずしもマイナスではない)影響を及ぼしつつあるというのが氏の見立てです。更にドイツ、オランダなど財政黒字の国が方針転換し、90兆円規模の欧州復興基金に合意したことは、EUにとってのメガチェンジ、パラダイムシフトであると高く評価されました。今秋行われる総選挙では、CDU/CSUと緑の党との連立内閣が成立、連邦首相にはバイエルン州首相のゼーダー氏が就くというのが現時点での予想ですが、今年は州議会選挙も多く予定されており、まだまだ紆余曲折の可能性もあるとのことです。

講演後、質疑応答に移り参加者の皆様より沢山のご質問をいただきましたが、そのひとつひとつに丁寧に回答いただける氏の政治経済への深い造詣、語学力、そして温かい人柄にも魅了されました。

講演会の最後を締め括り当会議所奥村会頭が挨拶、新年のスタートにふさわしい時宜を得た講演会であり、会員企業の多くの方々の興味を引く内容であったとの感想と、ヴィースホイ氏への謝辞を述べました。

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 *ヴィ―スホイ氏 ©JIHK

 

2021年デュッセルドルフ日本商工会議所主催セミナー・講演会

デュッセルドルフ日本商工会議所が会員企業にご提供している主なサービスとして、セミナー・講演会がございます。特に会員企業の皆様によくご利用頂く法務・税務セミナーでは、当会議所会員である弁護士事務所・会計事務所に所属の専門家の先生方に講師をお引き受け頂き、法律・税制等の基礎から会員企業より関心の高いテーマや最新の情報について、全て日本語で解説頂いております。

なお、新型コロナウィルスの感染拡大状況から延期等スケジュール変更の可能性もございます。最新のスケジュールはホームページ(https://www.jihk.de/ja/page/76)にてご確認頂けます。