フォイエルレ コレクション


フォイエルレ コレクション:アジア美術と総合芸術体験

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*コレクションの展示風景|クメール彫刻 | 10–13世紀 |《プラットフォーム》| 中国、漢王朝、紀元前2世紀―2世紀  
 写真:def image©The Feuerle Collection

 

ベルリンのフォイエルレ コレクションは総合芸術と共感覚体験を基に設立されたヨーロッパでも有数のアジア美術を収蔵する個人美術館である。

美術史家デジレ・フォイエルレ とバルセロナ、ミロ美術館の最高責任者であるサラ・プッジによって2016年4月に開館された。

コレクションは古典美術と現代美術の壁を取り払った並置展示を展開し、来場者は紀元前2世紀から17世紀の漢から清時代に制作された中国漆木・石製宮廷家具、漆木文人家具、7世紀から13世紀のクメール彫刻、そして現代美術作家の荒木経惟、ゼン・ファンツィ、ジェームズ・リー・バイヤーズ、クリスティーナ・イグレシアス 、アニシュ・カプアー、アダム・フスの作品を堪能することができる。

光と影、見るもの、聞くもの、感じるもの全ての空間をデジレ・フォイエレがデザインした個人美術館の中でも稀有な存在であり、まさに総合芸術体験はその結果である。コレクションでは照明デザインがラベルや情報の言語に取って代わり、個人の感覚体験に重点を置いた共感覚手法の演出となっている。開館以来から空間を超えて東洋と西洋が対話する場所、時代を超えて古代と現代が出会う場所を体現してきた。

日本人作家、荒木経惟の作品はコレクションの並置展示でも重要な役割を果たしている。70年代から90年代に渡って制作された情欲的な作品は明、清王朝の中国宮廷家具とともに展示され、鑑賞者に挑む強烈な対比が生と死を通して一体感を生みだしている。

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*《文人木製長椅子》| 中国、清王朝、17世紀 | 大理石、ウェンジ | 荒木経惟《Mythology》| 2001/2015 |
 写真:Nic Tenwiggenhorn©Nic Tenwiggenhorn / VG Bild-Kunst,Bonn

 

デジレ・フォイエルレ曰く「中国家具におけるエロスは隠れている、それは身体の誇りであり、この場合は家具自体の誇り、自信、敏感で密かなエロスと詩的な存在感を表現している。同時に肌と裸に対する慎ましさでもある。

私にとって荒木は熱望と可能な限りのエロスの夢幻を表現する。日本文化が感情に正直であることや性意識を抑制していることは、かえってとても詩的で幼稚な方法で、美しい空想と熱望を創り出す。例えば、ラブホテルなんかは素晴らしいアイデアだ。遊びがあるが疑問視される危険性がさらけ出されている。しかしこれがアートの、異なる視点を誘発したり見せたりする、という美なのではないだろうか。

ともに賛美し合う荒木の作品と中国家具は、鑑賞者の目の中で融合し新たなアートを生み出したり、思考へ導いたり、異空間へトランスポートさせたりし、新しい世界を描き出す。

彼のスタジオを初めて訪ねた時はその雰囲気や彼の写真の撮り方、モデルたちが楽しんで生き生きと演じる様子に圧倒された。

その夜、彼とモデル達と共に夕飯に出かけた私は、最終的に芸者達と小さなカラオケバーに辿りついた。その時のハーモニーと荒木に対する美しい尊敬の念や自然な振る舞いは鮮やかにキャプチャーされ、私の特別な時間として常に記憶の片隅に残っている。」

コレクションはベルリンならではの防空壕の中で展示されている。第二次世界大戦中に建設された情報通信バンカーを、日本で生活した経験を持ち禅の影響を受けたイギリス人建築家ジョン・ポーソンが改装し、歴史的建築物を美術館に蘇らせた。この空間は古美術に対する異なる視点を提供しながら異時代・異文化間の対話を促し共感覚を経験することを通して観る者を導き美術作品に対する新たな視点を生み出している。来場者はベルリンの喧騒から切り離された寺院のような場所として静寂と熟考を求めてやってくる。

美術館は 7500平米の面積を有し、地上と地下の 二つの展示スペースを含めその他には、「音の部屋」、「湖の部屋」、「香の部屋」が堪能できる。

「音の部屋」ではジョン・ケージ による《ピアノのための音楽》を聴き感覚を落ち着かせる ことで、空間に漂う作品群を鑑賞するための準備をする。地下水で覆われた「湖の部屋」は空間本来の持つ素の美しさを保ちながら、一作品として観賞され、水と地熱を利用した室内温度・湿度調整として機能する。

さらにフォイエルレ コレクションでは中国の香文化を体験することが可能だ。中国最古の 伝統の一つとして、2千年以上昔の漢時代に起源をもつ香の儀式を現代アートパフォーマンスとして紹介している。香道では、ベトナム、ブータン、中国海南省の伽羅を使用し最高級の香木から幽玄に立ち昇る香りによって身体と心を落ち着かせ、香り・感性・自然との関係性を体感する。皇帝のように中国の洗練した精神文化を味わえる機会となっている。

美術史家デジレ・フォイエルレ は90年代にドイツ、ケルンの自身のギャラリーで古美術と現代美術を融合させる手法を開拓し、同様にアンティークを現代の視点から見直す試みを現在も続けている。

サラ・プッジ アート インスティチュートの創設者であるサラ・プッジは2004年から役員を務めたバルセロナ、ミロ美術館の最高責任者であり、1998年から2013年までバルセロナ、ゴディア財団の館長を務める。

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*《香道》地下の展覧会場にあるフォイエルレ香席の様子。
  写真: def image©The Feuerle Collection

プログラムとご利用案内

コレクションへの入館は予約制。開館時間:金曜日、土曜日、日曜日。
チケットの購入はこちらのウェブサイトからどうぞ:www.thefeuerlecollection.org
日本語ツアーのお問い合わせ先:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。

通常展示以外には毎週木曜日の午後6時からオープンメディテーション、毎月第一土曜日の9時45分/11時15分/12時45分からゴングバス体験が可能。ゴングが発する音と振動は私たちを内なる静寂の状態へと導き、感情と体内リズムのバランスを整える。ストレスと緊張を軽減し私たちの身体を自然な周波数へと導く。

フォイエルレ コレクションの香道体験(The Feuerle Incense Ceremony®)は約50分間で最大4名まで参加可能。香道体験は一般の入館には含まれておらず、予約のみの受付。詳細は このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 まで。

The Feuerle Collection
Hallesches Ufer 70
10963, Berlin,
www.thefeuerlecollection.org
030 2579 2320
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