~皆様の体験談~
コロナ禍に赴任して
副会長兼総務管理部長 平岩 健司
約4 カ月間に及ぶ日本からのテレワークを経て 7 月下旬に着任しドイツでの生活も早 2 カ月が経過しました。
着任直後は気温の高い日が続き、冷房のない環境で気温30 ℃超えに耐えるのがいかに大変か思い知らされました。それ以外は着任前の想定よりもリスクを感じず自由に生活が出来ています。人口の差とテレワークの普及によるところは大きいですが、空間はもちろんのこと生活スタイルにゆとりがあることや規則を守る気質があることも要因と推察しています。
一方で、週末のアルトシュッタットやライン川辺りでは、かなりの雑踏の中でもマスクを着けていない人が大多数であり、規制がない場所でのマスク着用に対する感覚に日本との違いを感じます。また大声(彼らにとっては普通)で話す方も多く、マスクを着用せず大声で話す方に遭遇した時は極力距離を取るようにしています。
当地では路上喫煙と路上飲酒も目につきます。路上喫煙は日本では規制もありほとんど見かけなくなりましたが、当地では未だ健在で特に女性の喫煙者が多いのに驚かされます。前述のマスクの件も含め生活習慣や文化の違いを感じるところです。
ドイツでの生活は始まったばかり。美味しいビールやワイン以外にも新たな発見が続きそうです。
コロナ禍の中の一時帰国
事務総長 森 宏之
この夏休暇で一時帰国しました。7 月 31 日、ガラガラの KLM 便で成田に到着後すぐに PCR 検査を受け、車で迎えにきてくれた家内と 7 ヶ月ぶりの再会。 2 日後には検査結果が陰性とのメールが送られてきたにも拘わらず、 2 週間の自宅待機と公共交通機関を利用しないよう求められ、挙句厚生労働省から健康状態を確認する自動音声電話が毎日かかってきたのには閉口しました。滞在中はひたすら横浜の自宅周辺で 過ごしましたが、驚いたのは大手銀行の ATM コーナーに消毒液が置いていないこと、某有名うどんチェーン店では皆、平気でトングを使い回ししていること、込み合ったスーパーでは 1.5 メートルの間隔もおかずレジ待ちしていること、などで日本人は実はさほどコロナを怖がっていないのではないか、と感じた次第です。その反面、熱中症で死者が何名も出る猛暑にも拘わらず、道を歩いている人がほぼ全員マスクをしているのは、日本独特の同調圧力によるものなのでしょうか。
8月 15 日、再びガラガラの KLM 便で成田を後にしましたが、ほとんどのお店 がシャッターを閉じ、閑散として薄暗い空港出発ロビーを歩いて悲しい気持ちになりました。やはり国際空港は大勢の人が行き交いしてこその存在。一刻も早く空港が往時の賑わいを取り戻すことを願ってやみません。
*成田空港出発ロビー
ホームオフィスで一番重要なアップグレードとは
広報部委員 武井 裕次郎
コロナ禍の影響の度合いは人それぞれでも、皆様、苦労と創意工夫をしながら、日々対応されていらっしゃるのは世界共通ではないでしょうか。
私の試行錯誤はホームオフィスへの対応です。当然、オフィス同様の成果、プラス業務効率化が求められますので容易で はありません。
私が特に難しいと感じたのは、オン/オフ(=スイッチ)の切替です。今までは「職場=オン」、「家=オフ」と、場所が公私切替のスイッチでしたが、これは機能しなくなりました。実際、寝起きのまま仕事に突入したり、仕事中に家族の会話が紛れ込んだり、公私の垣根が低くなったように感じます。そこで、せめてもと新たな「スイッチ」を家の中にも作る事にしました。部屋の片隅に一畳程の半隔離された仕事専用スペースを設置し、家族にも(自分自身にも?)「仕事モード」をアピールし、協力してもらう事にしたのです。
怪我の功名か、狭い場所が私には妙にフィットしたようで、大変集中できるようになりました。が、同時に気付いてしまいました。ホームオフィスのアップグレードもよいが、結局はそこで働く自分自身の「アップグレード」こそが一番重要である、という事に、、、
秋の夜長にフェーダーヴァイサー
娯楽部長 佐竹 紀男
皆さま、コロナ禍で不自由な事と存じます。とは言え私は、これを機にドイツを極めると言うかドイツを楽しみたいと考えています。秋の気配が濃くなる今日この頃、ドイツを楽しむ意味で、強くお勧めしたいのがフェーダーヴァイサーです。
ご存知の方も多きかと存じますが、フェーダーヴァイサーは発酵中のぶどう発泡酒で含有された酵母がグラスの底に白い羽(フェーダーヴァイサー)の様に残る事が、この美しい名前の由来です。アルコール度数4%程度で出荷されますが、輸送中も販売中も家の冷蔵庫でも発酵が進み、最終10%程度になります。9月頃店頭に並び11月頃にいつの間にか店頭から消えるお酒です。味は甘酸っぱくてシュワシュワでかなり美味です。白・赤・ロゼの3種類があり、全てに特徴があり全部飲みたい所です。驚くべきはその値段で、720ml入り瓶で白・赤・ロゼを纏めて買っても€10以内とお財布にかなり優しいです。一方、フタがユルユルなので油断するとこぼれたり、泡が吹いたりとお取り扱い注意です。でも、それはつまり輸送が不可能なので、日本では絶対味わえないドイツの味となります。
以上がフェーダーヴァイサーの説明となりますが、秋の夜長に是非これを試して頂き、一時コロナを忘れて、ドイツに居る幸せを味わってくださいね。では、プロースト!!
*フェーダーヴァイサー
ドイツのコロナ対策の話
経理部副部長 池田 良一
9月末現在のドイツは、1日の新規感染者数2,000人前後で推移している。一番大変だった3月下旬から4月上旬の6,000人前後にはまだなっていないものの、500人前後またはそれ以下の新規感染者数という5月下旬から7月までの最も抑えられていた時期と比較すると、増えてしまっている。「第二波の前兆」かと呼ばれている所以である。ドイツでは、3月23日に「コンタクト禁止令(ドイツ版ロックダウンのための法律)」がドイツ全域で発令され、何とか短期間のうちに、新規感染者数の増大を抑制することができ、4月20日からは、「社会生活上のロックダウンの部分的緩和策」が開始されている。しかしながら、ある意味で当然であるが、「ロックダウン」の中の様々な施策あるいは現在も継続されている各種の制限のどれが、どれほど新規感染者数の抑制に効果的だったのかは、必ずしもきちんとは解明されていないらしい。確かに、アメリカから感染して帰ってきて、バーやディスコを何軒も梯子して、そこで数十人を感染させてしまったガルミッシュ・パルテンキルヘンの女性のような事例もあり(いわゆる「スーパー・スプレッダー」)、感染拡大の原因も偶然にも左右される。新型コロナウイルスに関する知識はたくさん蓄積されていることは確かであろうが、個人的にも社会的にも、新型コロナウイルス対策については、まだまだ「手探り状態」が続くのであろう。