日本商工会議所だより

【日独経済シンポジウム】

今年で18回目を迎える5月25日の日本デー文化・市民交流祭に引き続き、その一環である日独経済シンポジウムが5月27日、ホテル・インターコンチネンタルにて「AI(人工知能)とイメージングテクノロジー 産業のデジタル化における決定的要素」をテーマに開催されました。

約330名の方々にご参加頂き、ダンマーマン州経済省次官、礒総領事、ガイゼル市長、奥村デュッセルドルフ日本商工会議所会頭が順番に挨拶の言葉を述べられました。

シンポジウム前半の基調講演では、東京工業大学副学長(戦略構想担当)、生命理工学院 教授、梶原将氏より「東京工業大学が切り開く VR、 IoT、 AI の研究最前線」をテーマに、同校で進めているボールカメラ、ビデオ認識技術等についてお話頂き、またフラウンホーファー・インテリジェント分析・情報システム研究所 副所長、Dr. ディルク・ヘッカー氏の講演では「実用的で信頼に足るメイドインNRW」のAI」と題し、NRW州の産業に合わせた人間中心のエッジコンピューティング開発を進めているとの説明がありました。

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基調講演の様子 ©JIHK

後半のセッションでは、日独双方の7つの企業(aiso-lab GmbH、島津製作所、コマツ、NEC、Hans Turck GmbH & Co. KG、IOX GmbH、NYRIS GmbH)による実践例が紹介されました。
島津製作所からは、イメージングテクノロジーを用いた脳腫瘍の特定や脳の血流を測る技術が、コマツからは、AI、IoTを使った建設機械の自動運転への取り組みが動画を使って紹介されました。NECからは、独自の画像認識エンジンで中古ブランド品の偽造を判定する技術が実用化されている等の説明がありました。ドイツ側4社よりも各々の独自の取り組みが紹介され、参加者の関心を引き付けました。

その後、パネルディスカッションでは、司会者であるドイツ連邦人工知能連合会会長ビーネルト氏が各ケーススタディ発表者と質疑応答、更に続いて会場の参加者から「自動運転車に搭載されるAIは現状どこまで交通状況を認識できているのか」、「AIが人間を超えるのはいつか」等多くの質問が寄せられ、皆様の関心の高さがうかがえました。

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パネルディスカッションの様子 ©JIHK