やじ馬訪問レポート
ホワイトアスパラガス農園を訪ねての巻
寒い冬を越え、春の訪れとともにホワイトアスパラガスの季節がやってくる。何列も高く盛り土をして、多くはシートでカバーされているのがホワイトアスパラガスの畑である。植物の種類としては、グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスは同じ種類であるが、高く盛り土をした地中で成長させるホワイトアスパラガスは、太陽光線にあたらず、葉緑素が作られないので白いまま収穫の時期を迎える。一方で、グリーンアスパラガスは、地上で太陽光線を浴びて栽培されるので、葉緑素によって緑色に色付くのである。
ホワイトアスパラガスの収穫はていねいに手作業で行われる。さらさらとした砂状の盛り土に割れ目ができていれば、その下にホワイトアスパラガスが成長している目印となり、まず手で盛り土をかき分け、十分な長さを確保して、ちょうど筍を掘るように、細長く鋭利な道具を使って掘り切って収穫していく。かき分けた土は、左官職人が壁塗りに使うコテに似た道具を使って、ていねいに盛り土へと戻し、1本1本収穫していく。気温が高く湿度が高いと、1日あたり7cmも成長するので、シーズン中は毎日の収穫がかかせないのである。
収穫後は、基準の長さの22cmに切り揃えられ、切り口から2.5cmの部分の太さによって、クラス分けされて出荷される。
私たちが食べているアスパラガスは幹の部分で、まず1〜2年育てた苗を植え、良質な土と適切な肥料やりで苗床を育て、ようやく3年目の春に最初のアスパラガスを収穫することができる。
収穫を始める日は、その年の天候によって異なるが、収穫を終える日は、毎年6月24日の洗礼者ヨハネの日 "Johannistag"(ヨハネスターク)とされている。
右から2番目 ヨーゼフ・ハイエス市長、4番目 ゲオルク・ハイエス氏
同じ苗床から8〜10年は収穫できるので、収穫シーズンを終えた苗床1つから1本の幹だけを地上で成長させ、葉が太陽光線を浴びて光合成により根に栄養が蓄えられ、翌年の春に良質な新芽が生えるための大事な夏の期間を過ごすのである。
この翌年のための夏の期間に十分な日照が必要であり、冬の始まり(10月上旬頃)までの少なくとも100日間は確保するために、6月24日には収穫を終えるのである。但し、その年で収穫を終える苗床からは、6月24日を過ぎても収穫をすることができる。
この度は、本誌編集長 稲留氏の紹介で、ヴィリッヒ市のヨーゼフ・ハイエス市長のご実家でもあり、500年以上続く農家Berderhofの訪問が実現したものである。現在はゲオルク・ハイエス氏(ハイエス市長の弟)が経営されている。
販売所があり、ホワイトアスパラガスのほか、いちご・卵・じゃがいもや、ホワイトアスパラガスによく合うワインやソースも販売されており、誰でも買うことができる。
Berderhof
Klosterweg 32
47877 Willich
販売所の営業時間(アスパラガスシーズンのみ):
平日 8:00〜13:00 15:00〜19:00 / 土 8:00〜13:00 / 日 9:00〜13:00
Tel:02154 - 5376 / http://berderhof-spargel.de/
併設されているレストラン・カフェ“Landwirtschaft”
※営業時間は直売所と異なります。Tel:02154 - 486 863 0
http://www.berderhof-landwirtschaft.de/
文責:日本クラブ生活部 岡