デュッセルドルフ日本商工会議所だより

【熊谷徹氏・講演会】

4月21日(金)、昨年大変ご好評頂きました在独ジャーナリスト、熊谷徹氏による講演会を今年も開催致しました。今回は、「欧州の地政学的な変化をどう読むか?」と題し、現在の欧州の全体像とドイツの行方を様々な角度から解説頂きました。
BREXITがもたらす欧州の変化、中東動乱と難民危機の状況に続き、世界各地での右派ポピュリズム台頭について米国・トランプ大統領とナチスの比較、(講演日の翌々日に迫っていた)フランス大統領選挙動向を交えて解説されました。
講演最終部分では、東西冷戦の再燃・欧州にとってのロシアの脅威、更には情報の虚実を見抜くメディア・リテラシーの重要性にも言及され、全体として各種データに基づく明快な語り口によるご解説に、参加者の皆様の欧州事情に対する理解がより深まったのではないでしょうか。
質疑応答では、参加者の方からのご質問に丁寧にお答え頂き、また、ところどころで大手メディアではあまり報道されていない話もお聞かせ頂き、大変参考となりました。
今後もこのような講演会を企画させて頂きたいと思っております。

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熊谷徹氏・講演会の様子   © JIHK

 

 【日本デー】

本年で16回目となりました日本デー・文化交流祭と日独経済シンポジウムは、日独の関係機関が協力し開催しております。当会議所は、スポンサー募集を中心とする資金的支援を行い、日独経済シンポジウムにおいては企画立案段階から実施に至るまで運営面でもサポートしております。今年はスポンサーとして日本デー・文化交流祭に27社の会員企業より70,500ユーロ、日独経済シンポジウムにおいては9社の会員企業より21,500ユーロの提供を頂きました。これは過去最大の支援金額となっており、会員企業の皆様のご協力が日本デーの開催を支えているといっても過言ではないと思います。この場をお借りして、会員企業の皆様に厚くお礼を申し上げます。

 

【日独経済シンポジウム】

日独経済シンポジウムは2002 年より「日本デー」の一部として定着している日独経済交流プラットフォーム事業です。
本年は5月22日(月)、ホテルインターコンチネンタル・デュッセルドルフで開催されました。今回のシンポジウムでは、「企業連携とイノベーション デジタル化・グローバル化の進む経済における新たな成功戦略」をテーマに、日本とドイツの関連分野の専門家にご講演を頂きました。
冒頭High-Tech Gründerfonds CEOのミヒャエル・ブラントカンプ氏に基調講演「日本企業とドイツの革新的なスタートアップ企業との連携:成功の要素」を行って頂いた後、日独双方のスタートアップ企業を支援する立場の専門家に議論に加わって頂き、デジタル経済とスタートアップの分野における両国の共通・相違点が浮き彫りとなりました。
後半のセッションでは、まず日独双方の6つの企業から企業間連携等の実践例が紹介され、ハイブリット車両についての共同開発、コネクティッドインクのエコシステム、デジタルセキュリティの開発等、興味深いテーマによる具体的なお話を頂きました。その後、WHU Otto-Beisheim School of Managementのホルガー・エルンスト教授の巧みな司会により活発なディスカッション及び質疑応答が行われ、日独双方から率直な意見が交わされたと大変好評でした。