株屋のドイツ語
以前フランクフルトに勤務していた時、4年ほど証券取引所で場立をやっておりました。そのお蔭で、ドイツ語はさほど出来ないものの証券用語のドイツ語はイヤでも頭に入りました。相場が崩れることを“abbröckeln”、値崩れしないことを“behauptet”、高騰することを“haussieren”等。立会人の間での銘柄のあだ名も覚えました。Mannesmannは“Röhren”(鋼管)、BASFは“Anillin”(Badische Anillin- und Sodafabrikより)、Lufthansaは“Lusta”(Lufthansa Stammaktienの略。当時普通株と優先株が両方上場されていたので、普通株を指してそう呼ばれていました)。相手に売却するときは“an Dich!”、相手から買う時は“von Dir!”英語のディーラー用語“Yours”、“Mine”に相当します。
さて今年は酉年。相場の格言では“申酉騒ぐ”と言われ、昨年に続き変動の大きい年になるのでしょうか。“von Dir!”が優勢な年となりますよう。
編集委員 森 宏之