デュイスブルク ティッセン・クルップ鉄鋼工場見学バスツアーご報告
ドイツ企業の工場見学と会員企業間での交流を目的として、2013年ヴォルフスブルク・VW工場、2014年レバークーゼン・バイエル製薬工業団地、2015年デュッセルドルフ・メルセデス スプリンター工場と実施してきた現地工場見学バスツアー。今回は、ルール工業地帯の重工業企業を代表するティッセン・クルップ社のデュイスブルク鉄鋼工場の見学ツアーを行いました。
4月21日(木)、25名の会員企業の皆様と、デュッセルドルフの隣街であるデュイスブルクの北部に位置するティッセン・クルップ社の鉄鋼工場に出発しました。1891年に設立されたこの工場は、現在900ヘクタールの敷地を持ち、鉄鉱石から鋼材の生産までの過程(製銑、製鋼、圧延等)を行う銑鋼一貫製鉄所の中で世界最大級の規模となっているということです。
工場到着後、まずはビジターセンターで工場の全体像についての説明を受けました。ヘルメットや防護メガネ等の装備をお借りした後にバスに乗り込み、高炉に向かいました。生憎この日は技術的な問題があり高炉自体は見学できなかったのですが、モデルを使って高炉の仕組み等について説明を頂きました。その後再びバスで敷地内を巡りながら、敷地内に設置されている原料を運搬する船が到着する港、鉄鉱石やコークスを運搬する巨大なベルトコンベア、教育施設、社員の子供のための幼稚園等についての説明をお伺いしました。
高炉では鉄鉱石やコークスなどから銑鉄を取り出す製銑が行われ、その後、銑鉄から不純物等を取り出す製鋼が行われます。今回はこの製鋼工程を間近で見学することができました。
かつて使用されていた高炉(Landschaftspark Nord)
製鋼ホールでは、液状の銑鉄が入った巨大なコンテナが吊り上げられ、転炉と呼ばれる炉まで運ばれていきます。転炉に注がれた銑鉄には酸素が注入され、粗鋼が作られるそうです。目の前で蓋が開いた赤く燃えたぎる液状の銑鉄の入ったコンテナが空中に吊り上げられた際には、その熱さが顔に伝わってきました。また、クレーンにより下部がひっぱられ傾いたコンテナから銑鉄が転炉に注がれた際には、火花が大きく飛び散る迫力のある現場を見学することができました。
工場見学後は、近隣にあるLandschaftspark Nordに向かいました。この公園は1985年に閉鎖されたThyssen Kruppグループの鉄鋼所跡地で、現在は産業文化として一般に開放されている場所です。特にこの公園のハイライトである高さ70メートルのかつて実際に使われていた高炉「Hochofen 5」は上までのぼることもでき、自由散策の間にのぼったという参加者の方も多かったようです。
自由散策後は以前メインスイッチハウスとして使われていた建物を転用したレストランで軽食を取りながら、業種を超えた参加者間のネットワーキングが行われました。
今後も会員企業の皆様と様々な現地工場を訪問する企画を立てていきたいと思っております。