やじ馬訪問レポート
ヘッチェンス陶磁器博物館、オープン工房を訪ねての巻
デュッセルドルフは、いわゆる観光地ではないが、年間通して子どもから大人まで楽しめる博物館や美術館が街中にたくさんある。
ヘッチェンス陶磁器博物館といえば、5000年も前の貴重な陶器からドイツのマイセンはじめ、欧州、日本、中国など世界中から集められた素晴らしい陶磁器の展示で知られている。
先日、ギムナジウムでのいけばな体験プロジェクトで、生徒たちによる花器製作の際、この博物館陶芸教室の秋元先生に、ミュラー先生と共に担当するDie Offene Museumswerkstattの事を伺った。
博物館は通常午後5時に閉館だが、毎週水曜日は特別に午後9時まで(入館は8時まで)開いている。博物館カフェ横に陶芸工房があり、水曜日6時半から8時半まで、初心者から上級者まで誰でも(ドイツ語か英語、高校生以上)仕事帰りや出先から、あるいは家事をすませ手ぶらで出向き、土を捏ね自分好みの作品に向かうことができる。
NRW州の学校夏休みである7月半ばの水曜日に、そのオープン工房の見学に行ってみた。参加者は、事前に予約の必要もなく(工房が開いているか要確認)、この日はミュラー先生の指導の下、仕事帰りや小さい子どもをご主人に託し、ゆったりと和やかに6人の方が製作中だった。
ご飯茶碗、お湯呑み、お抹茶茶碗に慣れた手つきで釉薬を塗っている女性が、にこやかに「私、京都に住んだ事があります。」と話しかけてくれた。聞くと、京都のデザイン関係の会社で研修をしたと言う。陶芸経験豊富なのかと尋ねたら、今日が3回目、今年の日本デーで雨に遭い雨宿りをかねての博物館陶芸体験が初めて、その後2回目にいろいろ形成し、今日がその仕上げであった。完成した作品は、ミュラー先生が丁寧に専用オーブンに入れ、プログラムを設定すれば自動で焼きあがるという。この素晴らしい電動窯が3台もある。因みに、電動ろくろは6台ある。参加費は、材料、焼く費用も含めて1回、15ユーロとなっている。博物館の中なので、参加者は本物に触れ、創作意欲がアップするのではと思う。
ヘッチェンス博物館全体のプログラムは、年に3回発行される。今年の9月から12月のプログラムを参考に常設展、特別展の鑑賞をはじめ、興味深い催事がいろいろあるのでご覧頂きたい。オープン工房の他に日本語での教室、子どものお誕生日会コースもある。
また、友の会会員も随時受け付けている。友の会会員には、催事の案内、入館無料の他さまざまな特典がある。
ヘッチェンス陶磁器博物館
Hetjens-Museum
Schulstrasse 4
40213 Düsseldorf
Tel.:0211-8994210(博物舘受付)
www.duesseldorf.de/hetjens(HP 独・英語、一部日本語)
入館料 大人 4ユーロ(常設展)、17才以下 無料