耳よりコ-ナ-生活編

やじ馬訪問レポート

Eiszeitliches Wildgehege Neandertalを訪ねての巻

S.10

「ドイツの良いところは?」と日本にいる家族や知人から聞かれると「街中にも自然が溢れていて気持ちが良いのよ。」と答える事が多い。ドイツに来てすぐに公園の多さと園内の緑の多さに感動した。そして、その想いは何年経っても変わらない。暖かくなるとパンと水筒を鞄に詰めて、公園に出掛けてしまう。芝生の上やベンチに座って食べるランチは、レストランで美味しい食事を楽しむのにも負けない至福の時なのだから仕方ない。
今回は少し足を延ばしてEiszeitliches Wildgehege Neandertalに行ってみた。ネアンデルタール人の骨が発掘された事で有名なネアンデルタール渓谷に1935年に造られ、現在は23ヘクタールの広大な土地の中でネアンデルタール人のいた時代から生き続けている3種類の動物を飼育している。牛の祖先であるAuerochseと野生馬のTarpanは保護地域で飼育されている以外には絶滅してしまっている希少な動物で、ヨーロッパの地上哺乳類において最大の大きさを誇るWisent(バイソン)のみが自然界にて生き延びている。これらの動物には餌をやったり触ったりすることは出来ないが、動物園のないデュッセルドルフに住んでいると、動物を見られる場所は貴重である。しかし、敷地が広い為、動物を近くで見ることができるかは運次第である。実際に今回は残念ながら一頭も見ることが出来なかった。数週間前の来訪の際には、Tarpanにいたっては触ることが出来るほど近くまで来てくれたので、こればかりは行ってみないと誰にも分からない。
園内をぐるりと回れるように遊歩道が造られており、公式ホームページによると一周の所要時間は1時間半とのことだが、子供連れだったことを差し引いても、私の足では倍近くの時間は必要ではないかと思う程広い。風の強い日の後だった為、倒れた木で道がふさがれている部分もあり、「冒険みたいだね。」といいながら木の下をくぐって進んだ。ここでは、まるで森の中を歩いている錯覚に陥る。3歳の息子も「気持ちいいね。」と言いながらルンルンと歩いていた。遊歩道は途中でショートカットできる道もあるが、敷地内を突き抜けることは出来ないので、歩きやすい靴をはいて時間に余裕を持っていくべきかもしれない。またバリアフリーではない為、車いすやベビーカーで訪れるのは難しい。途中にベンチが置かれていて休憩ができるので、園内を流れるデュッセル川のせせらぎや鳥のさえずりに耳を澄ませながらゆっくりと歩きたいものである。
そして、園内を散策した後には、すぐ横にあるネアンデルタール博物館にも立ち寄ることをお勧めする。近代的な建物の博物館は、視覚に訴える展示になっており非常に分かりやすい。歴史の授業が苦手で仕方なかった私が面白いと感じたのだから、万人受けすること間違いなしである。説明は音声で聞くシステムなので、入口で英語かドイツ語を選択してイヤホンを受け取る。その際にイヤホンの代わりに日本語で書かれた冊子を頼むことも可能である。館内には発掘体験や火起こし体験コーナーがあり、そこには常に子供が集まっている。美術館のカフェは、眺めが良い。ガラス張りのカフェは開放感あふれており、コーヒーが美味しく感じられる。
デュッセルドルフ市内には他にも多くの公園があり、近郊には散策を楽しむのに適した自然豊かな場所が多い。周りの人と情報交換をして穴場を見つけていきたいものである。今年の夏が一日でも長く続くよう願ってしまう。

Eiszeitliches Wildgehege Neandertal
事務所住所: Thekhauser Quall 2, 40699 Erkrath
交通手段
車:ナビにはTalstraße 300, 40822 Mettmann(ネアンデルタール博物館)の住所を入れてください。駐車場から歩いて行けます。
電車・バス: Neanderthal S駅(Regiobahn S28, Buslinie 012)
Hochdahl-Millrath駅(S-Bahnlinien S8, S11)
Neanderthal Museum駅(Buslinien 741, 743)
URL  http://www.wildgehege-neandertal.de(ドイツ語)

Neanderthal Museum
開館時間: 火~日10:00~18:00
住所: Talstraße 300, 40822 Mettmann
URL: http://www.neanderthal.de(ドイツ語・英語・オランダ語)

文責 米山裕子