やじ馬訪問レポート
VHS-Biogartenを訪ねての巻
新緑の美しい季節、VHS-Biogarten(デュッセルドルフ市民大学ビオガーデン)を訪れた。デュッセルドルフには広大な公園がたくさんある。市北部のノルドパークには日本庭園や水族館もあり皆様もよく行かれる事だろう。今日は市南部スードパークにあるこのVHS-ビオガーデンをビオ講座の講師であり、またArbeitskreis VHS-Biogarten(この施設のお世話をするボランティア)でもあるFrau Redemannに案内して頂いた。この日はドイツには珍しく最高気温29℃といわれたが、色とりどりの草花や木の甘い香りに出迎えられ、爽やかな気持ちで彼女の無農薬自然食品に関わる熱いレクチャーを受け、そしてビオガーデンを一緒に歩き実際の工夫や成果を見せて頂いた。
まず、このビオガーデンは1983年に市民家庭菜園として誕生する。そして1987年にデュッセルドルフで園芸博覧会が開催される事になり、ここが会場となった。その跡地が敷地面積70ヘクタールというスードパークとして現在は市民の憩いや学びの場となっている。
公園の中にはデュッセル川が流れ、大きな池があり、子どもたちが遊びながらバランス感覚を学べる遊具がある遊び場、ただの水遊びのようで実は古代エジプトでどのように水を引いたかを学べる遊び場、小動物園、ミニゴルフ、ビアガーデンやカフェ、スードパーク産野菜も販売するビオショップなどがある。
このVHS-ビオガーデンは農薬や化学肥料なしに植物、作物を育て、収穫する学び教えあうガーデン(Lehr-lern-Garten ohne Gift)であり、植物や木々などを学ぶために分かりやすく植えてある。この敷地面積3500㎡のガーデンは、火曜日の午後班、土曜日の午前班と約40人のボランティアがお世話をしている。ここの作物は売る目的ではなく学ぶために育てているので、収穫物はこのお世話した方で分配するということだ。
虫除けのために化学的な薬剤を使う事なく、例えばインゲン豆、ジャガイモ、サラダなどの野菜畑の間には花々が植えてある。これで虫たちは野菜ではなく甘く美しいお花にいくという昔ながらのトリックを採用している。ドイツの道ばたでよく見かける西洋イラクサ(Brennnessel)もこんもりうっそうと植わっている。これは蝶たちの貴重な餌にもなり、また野菜の栄養剤として、その栄養たっぷりの汁を与えるそうで決して怠けて雑草をそのままにしているわけではないのだと話された。
同行したT子さんもK子さんも木々の甘い香りに包まれ、初めて見たというインゲン豆の可愛い小花、木に穴を彫って作られた蜂の集合住宅、またシイタケの原木栽培などを見ながら青空快晴の下、のんびりのびのびと過ごしている様子であった。
園芸や自然環境に興味がある方には、アロマセラピー、エディブルフラワー(食べられる花)、美味しい野菜作り、薬用植物とは、自然の化粧品作り、野生食用ハーブをさがす、咲いている草花の名前は何か、コンポスト作りのアドバイスなどのワークショップやセミナー、ガイドツアーが行われている。
また子どものための講座もある。デュッセルドルフファミリーカード所有の子どもたちには年に3回無料の講座、蜂などを怖がらないで、ビオガーデンの中を探検、秋のガーデンなどがあり、その他有料8ユーロで春から秋にかけて定期的に遊びの中で学べる講座や自然研究ディプロマコースがある。
ドイツの花屋では見かけない野の草花、またじゃがいも、人参、トマト、インゲン豆、ズッキーニ、キノコなど季節の野菜が実際に実っている姿を誰でも見る事ができる。
開園時間内であればどなたでも自由に訪れる事ができる。しばし自然の中での時間を持たれてはどうだろうか。毎年5月中旬の日曜日には1日オープンデー(来年は5月17日)があり、ハーブやエディブルフラワーでデコレートした手作りケーキや飲み物、また手作りの雑貨やスパイスなどのお店もあり、楽しい時間を過ごす事ができると思う。
開園時間:夏時間 火~金 10:00-18:00、土 10:00-13:00
冬時間 火~金 11:00-16:30、土 10:00-13:00
(夏期休暇中、当番の方が病気の時など変更あり)
www.ak-vhs-biogarten.de
最寄り駅:Südpark U79 / 701, 707, 713, 723, 735,
Provinzialplatz U74 / U77 / U79 / 723 / 817
無料駐車場:Haus Kolvenbach
住所:Stoffeler Kapellenweg 188, Düsseldorf
文責 ケスラー優子