メルセデスベンツ スプリンター製造デュッセルドルフ工場見学 バスツアーご報告
当会議所では、現地企業の見学と会員企業間の交流を目的に、2013年にヴォルフスブルクのフォルクスワーゲン工場、2014年にはレバークーゼンのバイエル製薬の工場団地であるChemparkを訪問するバスツアーを行って参りました。本年は10月6日(火)及び12月7日(月)にデュッセルドルフにあるメルセデスベンツのスプリンター製造工場の見学ツアーを開催しました。今回の見学ツアーは、工場に入場できる人数が限られていたため、10月のツアー募集開始後すぐに満員となってしまい、多くの方にキャンセル待ちをお願いすることになってしまった経緯があり、急きょ12月に第2回目を実施することと致しました。
工場到着後、まずはガイドの方にデュッセルドルフ工場の全体像についてご説明頂きました。68万平米の敷地を持つこの工場では、約6500人の従業員が早番・遅番・夜勤の3シフト制で勤務しており、1日に約700台を製造しているということです。また、世界に9拠点あるスプリンターの製造工場の中でもデュッセルドルフは最大の拠点となっているということでした。
メルセデスベンツのスプリンターという車種は、日本では販売されていないということなので、どのような車かピンとこない方もいらっしゃるかと思いますが、ドイツでの個人宅の引っ越しや家具を購入した際に販売店で運搬のためにレンタルしてくれる後部にスペースがあり、大きな荷物を積み込めるワンボックスカーを想像して頂くと分かりやすいかと思います。運搬用の他にも商用車やレジャー用や後部に窓がついているタイプは送迎用などのミニバスとしても使用されており、内装も含めると1000のバリエーションがあるということでした。
プレゼンテーションに続いて、配布されたイヤホンとプロテクトメガネを装着し、溶接工場に入場しました。1つ1つのプロセスで動く機械を目の前にしながら、ガイドさんの熱心なご説明をおうかがいしました。時折私たちが歩く通路にも火花が飛びんでくることもあり、迫力のある見学となりました。
1つのラインで様々なバリエーションのスプリンターを製造していることがこの工場の特徴となっているということです。また、自社の製品だけではなく、同じラインで競合社VWの「Crafter」も製造されています。ライン上を流れる車のボディの前部にはコードがつけられており、各プロセスでロボットがこれを読み込むことで正しい部品が取り付けられ、1つラインで様々なバリエーションのスプリンターの製造が可能になっているということでした。
溶接工場を出た後は、プロテクトメガネをはずし、内装工場に向かいました。実際には、溶接のあとには塗装の工程があり、その後内装作業となるということです。内装工場では、銀色に塗装された車の次に黄色の車が流れていたり、バンタイプの後に後部に窓がついているバスタイプが流れていたり、また時折VWのエンブレムのついた車があったり、アメリカ出荷用のナンバープレートの形の違う車があったり、右ハンドル車があったりと1つのラインで様々なバリエーションが製造されていることがよりはっきりと分かりました。
多くの工程が自動化されている中で、やはり細かな作業は人の力により行われているということも分かりました。そのような中、従業員の健康維持にも力を入れており、体に負担がかかる姿勢をなるべく取らずに済むような工夫がされているということです。必要な箇所ではライン上で車体が回転し、屈まずに作業をしている場面や、重量物を運搬するときの機械のサポートも実際に随所で見られました。
工場見学の後は、アルトシュタットのクナイペで参加者の皆さんとネットワーキングを兼ねたお疲れ様会を行いました。ビールを飲みながら、見学したばかりの設備の話題などで盛り上がり、会員企業間での交流を深めることが出来ました。
来年も現地工場見学ツアーを企画する予定です。どの企業を訪問するか是非お楽しみに。