インゼル ホンブロイヒ美術館

 やじ馬訪問レポート

インゼル ホンブロイヒ美術館
(Museum Insel Hombroich)を訪ねての巻

デュッセルドルフから車でわずか15分、隣町ノイス市の郊外にこの美術館を訪ねてみました。美術館というと、普通は収集、展示、研究のために作られると思いますが、ここは不動産業で財を成したミュラー氏個人が自分の趣味で集めた作品を好きなように展示しているのが特徴です。

町の近くとは思えない、自然のままの広大な敷地に16個のパビリオンが建てられ、来場者は入り口で渡された地図を片手に、まるで探検に行くような趣きでまわります。階段や橋や細い道、湖というよりも沼あり、花や草木、牛や鳥、鴨の親子も見られます。私たちが訪れたのは珍しく雪の深い日で、あたり一面真っ白な静寂の中、鳥の鳴き声に耳を澄まし、雪景色を楽しみながら歩きました。

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この美術館は湿原地帯の肥沃な地にあるため、季節季節の楽しみがあります。春が来ると一斉に花が咲き、新緑も美しく、初夏にはかえるの合唱や、秋には栗がイガのままたくさん落ちています。順路はすれ違うのがやっとの小道、そこを外れて歩く事は禁止されています。ピクニックも不可ですが、入場料金にはカフェテリアにある自然農家風の食事も含まれ、コーヒーや紅茶、ジュースに手作りのビオのパン、ジャム、卵、サラダ、スープ、茹でたてホクホクジャガイモにクワークを添えて、いくらでもお変わり自由です。2月下旬まで、カフェテリアは改修中ですが、その間、コンサートやイベント空間のScheune(納屋)で食事ができます。

また、この美術館は展示に関し、普通の美術館にあるような説明文は一切ありません。タイトルさえありません。いつの時代の誰の作品か、インドなのか中国なのか、日本なのか、自分で考えて欲しいそうです。その為、建物常駐の係員もいませんが、展示物の撮影は禁止になっています。今回は美術館のNotthoff氏に案内して頂き、建物の形や自然と美術品との計算された調和や効果をも教えて頂きました。

ところで、これら園内の建物には、照明というものがありません。窓からの自然の光で作品を鑑賞し、窓を通して外の自然を味わい、また外に立って自然の中から中の作品を見るという、いつもの町中の美術館とは異なった、気づかなかった感動に出会えました。
一人でも二人でも、家族や友人同士、自然の中を散歩して、素敵な美術品を鑑賞し、鳥のさえずりに耳を澄ませ、歩き疲れたらベンチに座って休憩、カフェテリアでのんびり過ごすなど、五感で楽しめるおすすめ美術館です。HPを確認の上、ウォーキングシューズで週末にいかがでしょうか。

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なお、ここから1,5km離れたRaketenstation Hombroichには、同じく広大な敷地内に画家や音楽家など芸術家のアトリエや住居、展示が点在し、日本人建築家、安藤忠雄氏設計の素晴らしい建物やビオのカフェもあります。こちらは次回、桜の季節に訪問する事を楽しみに、のどかな田園風景を後にしました。

http://www.inselhombroich.de/