ご 挨 拶

 ケルン日本文化会館 館長 相澤 啓一

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立川雅和前館長の後任として、本年2019年4月にケルン日本文化会館館長に着任した相澤啓一と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

これまで私は主に大学でドイツ文学やドイツ語を教えて参りました。NHKのラジオやテレビで何年かドイツ語講座を担当したこともありましたので、もしかしたらかすかにご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。2011年からは、所属する筑波大学がボン市に設立した海外オフィスを中心に学術交流の仕事に従事し、ボンやケルン、ボーフムなど、NRW州の各協定大学に出没をくり返してきました。デュッセルドルフ大学にも協定締結交渉のためしばしばお世話になりましたし、またデュッセルドルフ市に勤める卒業生の方をメインに筑波大学同窓会を開催したりもしてきました。

とはいえ、せっかくデュッセルドルフを何度も訪れながら、これまで日本クラブや商工会議所の門を叩く機会を逃してきたのは、大変に残念なことでした。館長に就任してようやく5月の日本デーを夜の花火まで堪能させていただき、デュッセルドルフの日本人コミュニティの存在と実力の大きさを遅ればせながら実感した次第です。今後はぜひ追いついて、いろいろご一緒に活動させていただければと願っております。

ケルン日本文化会館は、国際交流基金が海外に持つ25のオフィスの中でも、パリ・ローマと並んで「会館」の名前を冠されている重要拠点の一つです。その活動領域は、大きく3分野に分けられます。まずは、日本の文化・芸術をドイツ語圏の皆さまに紹介するために、アーティストの招聘、コンサートや展示会の開催、日本映画の上映などを行なっています。第二に、ドイツのとりわけ日本研究者たちとの交流や対話を重ねており、日独シンポジウムや講演会のほか、すぐれたプロジェクトへの支援や日独翻訳者に対する翻訳賞授賞を行なっています。そして第三に日本語教育事業として、自ら日本語授業を行うのみならず、教員研修や日本語能力試験(JLPT)の実施など、ドイツ語圏での日本語教育全般に関してアドバイスや必要なサービスの提供を行なっています。私たちとしては当館が主催・サポートするこれらの活動に、ドイツ在住の日本人の皆さまにもぜひ積極的にお越しいただき、またご支援いただきたいと願っております。

今年9月にはケルン日本文化会館は創立50周年の節目を迎え、ベルリンやケルンで記念の能公演を行うほか、9月30日には作家の多和田葉子さんとジャズピアニストの高瀬アキさんをお招きしての記念式典も予定しています。ケルンとデュッセルドルフは、とかく歴史的に仲が悪いとネタにされがちですが、そういう「伝統」はドイツ人だけにまかせておいて、デュッセルドルフ日本クラブの皆さまには、ぜひケルンの日本文化会館を気軽に訪れていただき、また私どももより積極的にデュッセルドルフへのアクセスに心がけて、情報や経験を交換し、皆さまにはこれまでにも増して私どものケルン日本文化会館を有効利用していただけますよう心より願っております。