特集ページ(日本デー)

文化紹介テントからの景色

                 文化部ボランティア

日本デーは、当地の方々がよりリアルな日本文化に触れることができる大きなチャンスです。文化部では、「折り紙テント」「書道テント」を出展し、訪問者の皆さんに日本文化に親しんでいただけるようお手伝いをしています。
毎年の活動の中で、特に印象深かったエピソードを文化部員に聞いてみました。

【折り紙テント】
折り紙テントに参加して印象深かったのは、日本伝統のデザインや柄に興味を持っているドイツ人の方がたくさんいらっしゃったことです。カラフルな千代紙で折られた作品を見て、それらに刷られている文様がモダンに見える、かっこいい!という感想を頂きました。日本人には身近で親しみのある柄が、ドイツの方々の目には違って見えるということが新鮮に感じました。また、とてもセンスの良い方々がくす玉作品をお買い上げくださり、洋風のお家にどのようにインテリアとして和を取り入れるのか、とても興味が湧きました。折り紙だけでなく、私たちが着用していた法被を見て「それは買えないのか?」とたくさんの方々から質問頂いたことも印象深く、千代紙と同じく、日本伝統のデザインが斬新な印象を与えていることが面白いなと感じました。

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【書道テント】
6、7年前に、書道テントに訪れた日本人の女の子。ドイツ人のお友達を連れて、ドイツ語で書道について一生懸命に説明している姿を見て思わず「ドイツ語が上手ね!たいしたものよ。」と褒めると、はにかんだ様子で嬉しそうにしていました。それから一週間後に見知らぬ女性から電話があり、お話を伺うと「娘が、日本デーの書道テントで自分のドイツ語を褒められたことがとても嬉しかったと話してくれました。実は彼女は現地校で学校生活に馴染めず不登校気味だったのですが、最近自発的に学校に通うようになりました。日本デーでのお声がけのお陰と、感謝しています」とのこと。何気ない会話が、女の子の生活を前向きに変えたということに驚き、とても嬉しく思いました。日本デーでの文化紹介は、私に色々な気づきをもたらしてくれるということを毎回実感しています。訪問者の方々が、新しい興味へのきっかけ、人生が変わるきっかけに出会うことができるならば、日本デーを開催するということは単に日独交流のためだけではなく、さらに意義深いものになっているのではないか、と思います。

今年は残念ながら日本デーは中止になってしまいましたが、来年こそはいつもの場所で晴れやかに、たくさんの方々とお会いできることを祈っております。
文化部では日本デーの活動のほかに、当地の方々への文化紹介や、日本クラブ会員のみなさまに向けて様々な催事を企画しています。3月に開催予定でした「日曜科学教室」および「ボン歴史博物館とアデナウアーハウス見学ツアー」が開催延期となっておりますが、状況が改善され次第、催行に向けて善処してまいります。引き続き文化部の活動にご支援賜りますよう、お願いいたします。

 

日本デーの思い出 ~エプロンシアターと紙芝居~

                 読み聞かせ会 ヒラー 瑞子

晴れやかな五月に開催された2019年の日本デー。どこも大勢の人で賑わっていましたが、ひときわたくさんの親子連れが集まったのは―― そう、毎年恒例の子供テント。読み聞かせ会ではテントのなかで、『こぶとりじいさん』『あかずきん』のエプロンシアター、そして『天人のよめさま』『たべられたやまんば』の紙芝居の4作品を三部構成で上演しました。テントのなかは大人や子どもの姿でぎっしり。なかでも、エプロンシアター『こぶとりじいさん』は歌あり踊りあり太鼓ありの楽しい演目で、みんな舞台に目が釘付けでした。日本語とドイツ語の二言語での上演でしたが、なんといっても日本の昔話ですから、おじいさんの服装だって、鬼の存在だって、おじいさんが踊る曲の節回しだって、ドイツの子どもにとってはまったく馴染みのない異世界のはず。だけど、おはなしの面白さはそんな壁を取り払ってしまいますね。印象的だったのは上演後、ドイツ人の小学校の先生だという方が、エプロンシアターがもの珍しかった様子で、「とても素晴らしかったから、自分の学校でもぜひ使ってみたい」と声を掛けてくださったこと。確かに!身にまとったエプロン一枚の上でおはなしが繰り広げられ、濃紺の布をぱらりと垂らせば、一瞬で舞台は夜。フェルト製のおじいさんも鬼も、ぺったんぺったんエプロンに貼ったり剥がしたりして、一人の演者がナレーションに加えて一人何役も演じるのですから、初めて見る人はさぞかし驚いたことでしょう。一方の『あかずきん』はドイツでもグリム童話でお馴染みであることから、日本語のみで上演。言葉は通じなくても、演者の表現力と楽しい小道具でドイツの子どもたちにも非常によく伝わった様子でした。

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そういえば、紙芝居はKAMISIBAIと言われ、世界に広まりつつあるとか。ドイツでも今や各地で、図書館で演じられたり、ワークショップが開かれたりしているようです。紙芝居にしてもエプロンシアターにしても、日本で生まれた素晴らしい文化を伝える一助を担えることは、読み聞かせ会としてとても嬉しいことです。
次回はどんな出し物を披露できるか・・・これから楽しみにアイディアを温めていきたいです!

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