ご 挨 拶

在デュッセルドルフ日本国総領事 礒 正人

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新年明けましておめでとうございます。

皆様が拙文を読んでおられるのは2月半ば頃でしょうから、当地では新年というよりはカーニバルの雰囲気かも知れません。もっとも,今年は34日が「薔薇の月曜日」ですので,目前という感じではないのかもしれません。カーニバルもそうですが,当地の祝日は年によって移動するものが少なくありません。これはキリスト教に移動祝祭日があるからで,その代表が復活祭です。ニケーア公会議で「春分の日後の最初の満月の次の日曜日」と決められたそうで、今年は421日となっています。そして、四旬節の初日である「灰の水曜日」が復活祭の46日前と決まっていて,今年は36日になります。

カーニバルの起源や宗教的背景については諸説あるようですが、私はその名前からも食文化と深い係わりがあると考えています。つまり現在のように冬の飼料が確保できず、また、冷凍等の食肉の長期保存方法がなかった時代には,晩秋に団栗等を食べさせて肥育した家畜のうち少数を種用に残して他を屠り、塩漬けにするなど加工し、腐敗が心配になる2月頃までに食べ尽くすというサイクルが背景ではないかと云う説です。残った肉製品を春まで食べ続けて病気になるよりは、安全な内に皆で一斉に食べ尽くしてしまおうという訳です。こう考えると農業生産サイクルと密接に結びついているカーニバルの日程が月のめぐりで決まるのもなんとなくしっくりきます。

日本でいう旧暦は中国では「農暦」とよばれ,多くの行事が農暦で決められています。因みに今年の旧正月は25日ですので,この時期に新年の御挨拶を申し上げても,時期外れではないと思います。という訳で前置きが長くなりましたが,改めて新春のお慶びを申し上げます。

我々日本人にとって特別な年である2019年が明けました。430日には今上天皇陛下は退位され、51日には現皇太子殿下が即位され、新たな時代が始まります。平成最後の4か月が、そして新しい年号の下での8か月が皆様にとり実り多いものになりますよう心から祈念いたします。

さて、昨年9月に着任して以来、在留邦人・企業の安全と繁栄のために微力ながら努力してまいりましたが、幸い大きな事件・事故もなく2018年を終えることができました。また、日本とドイツの関係についても、世界情勢が大きく変化する中で共通の価値観を有する両国が相互にその意義を再確認し、関係を強化しようという機運を肌で感じることができました。そのような中で、日本とEUの間のEPA協定も21日に発効しました。協定の効果が感じられるまでには若干の時間を要するかも知れませんが、日欧経済関係における大きなマイルストーンになると思います。

経済に留まらず、多くの分野で息の長い交流が行われるよう、総領事館としても引き続き微力を尽くす所存ですので,皆様のご理解とご協力を宜しくお願いいたします。