耳よりコ-ナ-生活編


子供の予防接種

予防接種は、現代における罹患率、発病時に重篤な後遺症が残る可能性、最悪の場合死亡に至ることも考慮し、国際的にWHOが推奨しています。ジフテリア等が現代珍しくなったのは、予防接種の効果です。
ドイツでは子供の予防接種を次のように行なっております。

基礎免疫    小児乳児期 (0歳~2歳)

  6週間 2か月 3か月 4か月 12か月

1523

か月

6種混合 基礎1 基礎2 基礎3 基礎4
肺炎菌   基礎1   基礎2 基礎3  
ロタウイルス 基礎1 基礎2 (基礎3      
膜炎         基礎1  
MMR         基礎1 基礎2

免疫強化    小児5歳児・思春期13-15歳

  5 914(16)
3/4種混合 1 2
HPV男女   基礎12

 

以上がドイツの子供たちの一般的な予防接種の手順です。

ドイツに来られたら、まずホームドクターに相談し、国際的に通用する黄色い予防接種の手帳(Impfpass)を作ることをお勧めします。年齢・地域的特異性などを考慮し、補充の必要性を確認し、計画的に接種なさることをお勧めします。保険で予防接種を受けられる期間が限られていますので、早めにご相談ください。

◎よくある質問
・はしか(MMR)に関しては、日本では就学前に2回目の接種を行いますが?日本では2回受けるまでに発病する事例が問題となっています。ドイツでは意図的に早い段階で2回行います。やはり幼児期の罹患率が高いからです。
一年間に2回受けることによる問題は報告されていません。大人・両親も2度目の接種が必要です。(前回の記事をご参照下さい。)

・混合で種類が多くなると危険性が高くなるのでは?ドイツ(ヨーロッパ)では過去30年間混合接種にすることにより注射回数を減らしてきました。6本の注射を1回で済ませ、子供のストレスを軽減することを目的としています。実際には局部感染などの弊害防止となっています。重大な問題は報告されていません。

・日本で普通に接種をしていました。ドイツで(ほかの外国で)混合接種でダブってしまうので不安ですが?予防接種というのは模擬試験のようなもので、やりすぎということは通常ありません。予防接種(免疫練習)をすることにより、本物の病原体(生物学的危機)に対処する免疫能力が磨かれます。繰り返しにより抵抗力が強化されます。

・日本に無い注射がありますが?
考えの基本は、これから10年もしくは一生その病気・合併症から子供を守ることです。予防接種で防げる病気のことをWHOなどでは「preventable diseases」という言葉を正式に使っています。病に国境はありません。防げる病気に対処することが大切です。

保護者の方へ

注射は悪い子にする罰ではありません。医者が親の代わりに罰するものでもありません。「注射の刑」により医者嫌いの弊害が起きるのは悲しいことです。

予防接種の際「先生のために腕を押さえる」よりも、痛み、ストレスがかかっているお子様を全身全力で抱きしめてあげてください。筆者の経験では、この「親から愛されている」感覚が子供に無言で伝わるような気がします。

予防接種は大事なお子様が健康に育つため、親から子供へのプレゼントだとお考えください。各国の医療システムは違いますから、ホームドクターと相談し、お子様にあった適切な予防接種をしてあげてください。

参考 2018年8月ロベルトコッホ研究所発表
今回内容が大幅に改定されました。思春期の予防接種については次号で説明致します。

ドイツ公認総合専門内科医
デュッセルドルフ大学非常勤講師・臨床指導医
医学博士 篠田郁弥
(篠田診療所、Oststr.84, 40211 Düsseldorf, Tel.0211-161409)

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