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日曜科学教室実施にあたって
文化部長 黒川秀樹

およそ4年前、「電子顕微鏡で見るナノの世界~電子顕微鏡と私たちの暮らし~」のテーマで第1回日曜科学教室を行いました。
日曜科学教室は *知るって楽しい。今を彩るサイエンス* を標語に、概ね次の様な運営をしています。
ドイツあるいはヨーロッパに於ける主に日系企業の開発研究販売活動を科学的見地から探ろう。身の回りの様々な事柄へ科学的にアプローチしよう、を趣旨に日曜日午前、小学校3年生から大人を対象にクラブあるいは会社、現場を訪れ、講義を受けようというものです。
実施に当たっては、話題性の高い分野で活動するプロの技術者に講演を依頼。最前線の現場を技術と理論両面から分かりやすくショーアップ頂いています。子供向けにはワークショップ的な参加型プログラムに仕上げています。講演される先生にはパーソナリティーたっぷりの授業をお願いし、試行錯誤、苦労談、エピソード、対象の10、20年後の進化や将来像、当技術が身近な人間社会の生活、経済、生命などとどう連続し、どのように役立っているか等、ユニークに語っていただいています。そして子供教室では、最後に先生からメッセージ(ひと言)をもらいます。

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講師の先生が行う実験やデモンストレーションを間近で見ることができます。(第8回開催時の様子)


以上のコンセプトで今日まで8回、教室を実施しました。どの授業も先生の真摯ながら熱いお話が印象的でした。それぞれ少し備忘録的にご紹介しましょう。

【第1回:電子顕微鏡で見るナノの世界〜電子顕微鏡と私たちの暮らし〜】(協賛: 日立ハイテクノロジーズ)
ナノ世界を簡単にのぞける不思議な装置の話し。透かしたり、裁断したり対象物の中身を3次元で観て、オマケに構成分析もする凄モノを採り上げました。

【第2回:〜ルマン 新時代の闘い方〜】(協賛: TOYOTAモータースポーツ)
最新モータースポーツの世界。環境を大切にする時代、レースの中身も変わってきた!ガソリンエンジンに電動モーターを組合わせたハイブリッド技術で参戦するチーム。燃料を好きなだけ使えばいい時代から制動→走行エネルギーと電気転換させ、エコかつ最高の車両運動性能で頂点を目指すルマン、F1チーム代表も務めた先生のお話。


【第3回:次世代のあかり・LED照明】(協賛: Panasonicライティングヨーロッパ)
当年の秋にノーベル物理学賞を授与されたLED照明技術についてホットな授業を受けました。21世紀はLEDが照らす。高効率LEDは温暖化抑止に優れ、しかも生活を豊かにする。美味しく見えるパンや肉、気分やシーンの演出は自由自在に光色を操れるLEDの特質だった。


【第4回:印刷がつくる未来】(協賛: Fuji Film)
印刷が作ってきた時代と未来、と題して最新マシーンをデモ室で見学し、木版印刷、聖書や免罪符印刷と宗教改革、識字教育普及への貢献、大量印刷が実現した社会模様、多様な媒体への印刷アプローチと、グラフィックの可能性にふれました。


【第5回:最新鋭旅客機 ボーイング787 ドリームライナー】(協賛: ANA)
2014年3月就航、東京デュッセルドルフ間をノンストップで飛ぶボーイング最新鋭機787を採り上げ、最新の科学技術や安全セオリーの塊であるドリームライナーを日々見守る整備士さんを講師にお招きしました。


【第6回:生産技術を支える産業用ロボット】(協賛: Kawasakiロボティクス)
ロボット=Robota、強制労働者が語源というロボットに纏わるとても有益なお話をいただきました。最新ロボットに囲まれながら、ロボットの定義、三原則、歴史や種類、そしてロボットの無限の有用性を活かした人間とロボットの協調、共存の将来像を教えていただきました。


【第7回:おなかの健康教室〜人間の中で生きる「菌」のおはなし〜】(協賛: ヤクルト)
健康と菌の関係について自分の体を見直しました。約100兆個の菌が私たちのおなかに住み共存することで確保される健康をテーマに、多彩な模型を以って愉快な教室でした。


【第8回:化粧のヒミツ、化粧のチカラ】(協賛: 資生堂)
テーマは化粧。それはきれいになるコツの伝授ばかりではありませんでした。小麦色の肌、透き通った肌、むしろ無臭となる香水を好む日本人。欧日の理想像や嗜好差異に授業は展開。お化粧は自分らしく前向きに生きる人に力を与える。お化粧することで日常、自分を取戻す。被災者にマッサージやメーキャップを施すことがいかに元気付けに貢献するか。事故傷など肌に深い悩みを持つ人、がん治療の副作用で外見上の悩みを持つ人をカバーする化粧。心を癒し誰かと心を通わせる化粧、「一瞬も一生も美しく」明日へ向かえる化粧のチカラを学びました。

まだまだ、ご紹介したいお話は山のようにあります。
お忙しい中を、じつは難解で深遠で多面的テーマなのに、その楽しさと魅力を真ん中に据え、分かりやすく最新科学の世界にお誘いいただいた先生に改めて厚くお礼申し上げます。そして、お勤めの会社に於かれてもご準備に、ご接遇に諸所ご高配をいただきました。どうもありがとうございます。
まだまだ知らないことばかり。ぜひ教えて下さい。こんな事やっているよ、これ面白くない?素晴らしいお仕事をされているあなた。直ぐに取材にまいります。お声が挙がるのを期待しています。

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最新ロボットの前で記念撮影!(第6回 講師及び参加者の皆様)