もっと知りたい、伝えたい。 - ドイツの文化、日本の文化

-食は生活の基本 命の源-
Restaurant sumi. 店長 佐々木貴之

ここデュッセルドルフでは、インマーマン通りを中心に、多くの日本食レストランが軒を連ね、どのレストランも、訪れるのは日本人ばかり、という様な事はなく、当地で暮らす様々な方で賑わっています。すでに和食は、ドイツのみならず、ヨーロッパ諸国に広く受け入れられ、その需要は年々高まりをみせています。
多種多様な食文化の溢れる現代。「生活習慣病」という言葉も誕生し、すでに聞きなれたものとなりました。
現代病ともいわれるこの病には、食生活が原因とされるものも多数存在していると聞きます。
そんな中、「食」は生活の基本であり、まさに「命の源」となっているのではないでしょうか。
日本が世界に誇る「和食」という文化。健康志想に溢れたこの食文化を、当地ドイツの方々に、もっと知り、そして楽しんで頂けたらと思っています。

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-健康食としての和食-

「野菜と魚が中心」且つ「素材の味を少量の調味料で引き立たせる」という考え方が基本の日本食は、元々が健康食であると言えます。しかし、欧州の方を見ていると、味は濃い目がお好みの様ですし、食事される量も多め。そして、寿司や刺身を食べる際には、とても沢山の醤油を使われています。美味しいと感じて頂きたいものの、しかしそれでは塩分の過剰摂取となり、本来の和食の良さは失われてしまいます。
これは一例ですが、当地で和食の魅力を伝える際、難題は、「味の濃さ」と「健康食としての和食」を両立させることではないでしょうか。
その解決には、「健康を第一に」というコンセプトのもと取り組む必要があり、私は、「味の濃さ」を「旨味」で補い、召し上がって頂く。という考え方が良いのではないかと思っています。
例えば醤油は、酒と出汁を加えて煮立て、旨味はあるが塩分は少なめの「出汁醤油」という方法があります。また、味噌汁は、野菜の端の部分や葉などを煮詰めた野菜出汁に、少量の味噌で味付けをすると、栄養価が高く、体にやさしいものとなります。

「健康食」として「和食」を召し上がって頂く為の工夫が盛り込まれた日本食は、日本人のみならず、誰もが美味しいと感じるものとなるでしょう。
そして日本食という文化が、当地の方々の「食」を通した、健康づくりの一助となれたら。
それは、私たち日本人にとって、とても誇らしい事ではないでしょうか。

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-日本の心、おもてなし。-

おもてなし。その心を想うとき、どんなシュチエーションが思い浮かぶでしょうか。
大切な人、例えば家族や恋人を、自宅に迎える時のような気持ち。
笑顔で迎え入れ、一生懸命作った料理を食べてもらう。
「喜んでもらいたい」その一心から起こる行動、それこそが、「おもてなしの心」なのではないでしょうか。
日本独自の文化といわれるこの「おもてなし。」ですが、私は、ここドイツの文化も同じ様な、穏やかで、優しく、温かいものだと感じています。
レストランや商店では、気さくに、そして笑顔で対応してくれますし、何度か足を運べば、よく注文する料理や、いつも買う物を覚えてくれていたりします。
散歩をすれば、見知らぬ方から挨拶される事も多いですし、ちょっと道を譲っただけでも、笑顔でお礼を言われます。
古くから、日本とドイツは親密な関係を続けてきています。
互いに似た、相手を思いやる気質の文化を有している事が、その要因の一つなのかもしれません。

-当地での創作和食-

「創作」と言いますと、日本では、素材や調理法、味付けなどに趣向を凝らし、一風変わった料理に仕上げる事かと思います。普段食べ慣れている和食にない斬新さに、私たち日本人は興味を持ちますし、食べてみたいと思うのでしょう。
しかし、好まれる食材や味の嗜好の違う当地で、和食を「創作」する際には、そういった凝ったものを創るということ以外に、もう一つ大切な事がある様な気がします。
それは、日本の文化を伝えたい。という「想い」を込める事。
美味しく召し上がって頂きたいし、健康であって欲しい。そして喜んで欲しい。
そんな「おもてなし。」の心を込めた料理を創ることが、何よりも大事なのではないか。
私は、そう考えています。

「創作和食」ではなく、「想作和食」
当地で和食を召し上がった方々が、その「想い」を、少しでも感じて下されば幸いです。

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