ご 挨 拶

在ドイツ連邦共和国特命全権大使
八木   毅

S 1 Bild1前任地のインドから本年1月にドイツに着任し、2月初旬にガウク大統領に信任状を捧呈して大使として正式に活動を開始致しました。ドイツでの勤務は約12年振り、4回目にあたります。近年、ドイツはギリシャ債務問題からウクライナ問題、難民問題に至るまで、欧州に関わる様々な国際的問題において主要な役割を担っています。その重要性と存在感の高まりについては、日本でも注目されていますが、勤務を開始してから特にそのことを強く実感しております。

現在、英国のEU離脱問題が国際社会の注目を集めていますが、ヨーロッパとその周辺の問題だけではなく、テロ、北朝鮮、南シナ海情勢など、世界に大きな影響を与える課題や挑戦の平和的解決に向けては、地域を超えて国際社会全体が協力することが必要です。このような中で民主主義、法の支配、人権といった基本的価値を共有する日本とドイツが緊密に連携していくことが一段と重要になります。

本年は既に5月に安倍総理が訪独され、また、G7伊勢志摩サミットに際してメルケル首相が訪日されました。さらにガウク大統領の訪日に向けて現在調整が進められており、明年3月にハノーファーで開催されるCeBIT(国際情報通信技術見本市)において日本がパートナー国に選ばれていること、ドイツが明年、G20の議長国を務めることを考慮すると、引き続き活発なハイレベルの交流が続いていくことが期待されます。

経済面においても、日独関係は依然緊密であり、日本にとりドイツはEU内で最大の、ドイツにとり日本はアジア第2位の貿易相手国です。加えて特に近年、いずれも高度な産業を擁する両国は、競争相手であると同時に有力な協力相手でもあるという認識が高まっているように感じられます。事実、ドイツに進出する日系企業数は、私が前回勤務した時と比べると2倍以上の1800社近くに達しています。今後は、来年のCeBITへのパートナー国としての参加や、4月に経済産業省とドイツ経済エネルギー省との間で発表された共同声明に基づく産業のデジタル化の分野での協力を始め、両国間で共通の関心を有するエネルギー効率・安定供給、中小企業等の分野でも協力の進展が期待されます。

デュッセルドルフを州都とするノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州は、欧州最大の日系企業の集積地であり、1万人以上の在留邦人の方々が生活され、約600社の日系企業が進出しています。経済関係にとどまらず、文化、人的交流を含む日独関係の更なる深化を目指す上で、日本クラブをはじめとする当地日系コミュニティが引き続き重要な役割を担っていかれることを期待します。

最後になりますが、大使館、総領事館にとって、在留邦人の方々の生活と仕事のお役に立つことは最も基本的な任務です。「生活」の面では領事関係業務、特に昨今、テロ事件が相次ぐ中、安全対策が極めて重要です。「仕事」の面では,在外公館のスペースを日本企業の商品展示会や対日投資促進PRの場所として積極的に提供しています。私どもはこうした取組を通じて「敷居ゼロの公館」、「開かれた公館」を目指します。在留邦人の方々におかれましては、是非、遠慮なく大使館、総領事館にご相談いただければ幸いです。