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デュッセルドルフ日本男声合唱団25年の歩み

日本クラブ文化部メナーコーア代表 武田醇一

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<湾岸戦争>
我々メナーコーア(男声合唱団)が産声をあげたのは25年前です。1991年1月17日の湾岸戦争勃発により、当地在住の日本人ビジネスマンはドイツ国外への出張ができなくなって時間をもてあます破目となり、カラオケ狂も含めた歌好きの有志8名が集まって男声合唱団を結成しました。初代指揮者を務めた佐渡氏(宇部興産)が同社の渡辺氏と共に、当時商工会議所事務局長だった私を訪ねて来られ、3人でレストラン「弁慶」で食事をしながら合唱団設立構想について語り合った時のことを今でもよく覚えています。とにかく各パート2名・計8名は必要ということで、仲間を見つけることが先決でした。あれから25年、日本人ビジネスマンの宿命とも言える転勤で、団員の確保に四苦八苦しながらも、日独関係者の方々の暖かいご支援のお陰で、今秋9月には創立25周年記念コンサートを挙行することとなりました。1993年からは正式に日本クラブ文化部に所属する団体として認知され、帰国した団員も含めたメンバーの延べ人数は今や150名を超えました。

<音楽に国境無し:合唱を通じて日独友好親善に貢献>
我々メナーコーアは創立以来、日独友好親善のため多彩な活動を続けており、独自のコンサートをはじめ、NRW州内の諸都市(Kaiserswerth, Meerbusch, Ratingen, Lünen, Mönchengladbach, Münster, Senden, Siegburg, Borken etc.)での各種日本関連行事や、モーゼル河畔のワイン祭りにも参加しました。毎年行われる州都デュッセルドルフの日本デーでは、我々の演奏を心待ちにしている観衆がたくさんおられる様です。Oberhausenの国際平和村の秋祭りには毎年慰問演奏に出かけ、施設の子供達や地元関係者の大歓迎を受けています。一昨年秋のこと、平和村の子供達も知っていて愛唱歌となっているという「翼をください」を日本語でさくらコーアと合同演奏し、その歌詞を私がドイツ語で説明したところ、演奏後に中年のドイツ人夫妻が私のところに来られ、「すばらしい演奏だった。この曲のドイツ語歌詞を是非教えてほしい。」と言われ、スピーチ原稿の1枚をお渡ししました。日本語の歌でも、その意味が通じればドイツ人も感動してくれることを実感した瞬間でした。また独日協会や総領事館主催の各種行事にも定期的に参加しており、団員一同「音楽に国境無し」を実感しています。言葉が完全に通じなくとも、歌を通じてドイツ人社会に溶け込み、彼等に認知され愛好されており、日独友好親善に少なからず貢献していることを、我々は誇りに思っています。我々のこうした活動がドイツ人社会に認められ、今秋にはライン河畔にある旧市役所のPlenarsaal(本会議場)で行われるデュッセルドルフ合唱連盟主催行事の場で表彰されることになりました。

<Ü(ウー・ウムラウト)が問題、シューマンは問題なし>
10年前の2006年8月末にClara-Schumann-Musikschuleで15周年記念コンサートを行い、Robert Schumannの「ミルテの花」を演奏した折には、地元新聞WZが、この様な見出し語で写真付きで我々を紹介してくれました。声楽家ではない我々アマチュアにとっては、ドイツ語のウムラウト(変母音)の発音をマスターするのは大変でした。Trinklieder(飲み歌)を歌って、ドイツ語の発音に慣れるのが最も効果的でした。2013年9月には、当地最古のビアホールSchumacherの創立175周年記念祭に特別出演し、アルトビールで喉を潤してからTrinkliederを歌いまくり、ドイツ人観衆の喝采を浴びました。それが機縁となって、昨年(2015)は3回もSchumacherの中庭架設舞台で演奏することになり、しかも11月末には40分(13曲)も日独のクリスマスキャロルを演奏してドイツ人観衆を魅了しました。

<デュッセルドルフは我々の第二の故郷>
州都デュッセルドルフは、我々日本人ビジネスマンにとっては様々な意味で「特別な都市」です。ご承知の通り、ライン河畔では毎年「日本デー」が開催されますし、東京では州政府とデュッセルドルフ市が共催で、かつて当地に駐在した日本企業のトップを招待して「デュッセルドルフの夕べ」が行われています。既に帰国した我々のOBメンバーにとっては、デュッセルドルフは懐かしい「第二の故郷」であり、「ライン河畔に住み、ライン河にほど近い日本人幼稚園で練習をしていたメナーコーアの原点はここにあり」という思いです。なお、OBメンバーは東京でメナーコーア日本支部を設立し、日本に戻っても活動を続け、ドイツの歌・ドイツの文化を日本で広めています。そのOBメンバーも参加して、本年9月24日(土)に創立25周年記念コンサートをさくらコーアとBilk男声合唱団との共演で行います。その冒頭で我々メナーコーアは「Fröhlicher Rhein(楽しきかなライン)」と「ふるさとの四季」を演奏する予定です。皆様のご来場をお待ち申し上げます。

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