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ドイツ生まれの自然療法・ホメオパシー

     

森 明華(さやか)

「ホメオパシー」ドイツ語のスペルでは「Homöopathie」という言葉。ドイツに暮らしていれば、一度くらいはどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか?
ナチュラル志向なドイツ人家庭を訪れると、ホメオパシーの小瓶が常備されているのを、よく目にします。

ホメオパシーはドイツ生まれの自然療法で、約200年前にサミュエル・ハーネマンというドイツ人医師によって創設されました。世界的に認められており、ドイツでは70%以上の医師や病院などで利用されているそうです。歴史的にもショパンなどの音楽家達など(書いて行くときりがないほど)現代では、オリンピックで活躍するアスリート達や世界的にも活躍するサッカー選手などがホメオパシーを心身の管理に取り入れています。
わたしは10年以上前に、ドイツ在住の先輩ママからホメオパシーのことを教わりました。後にこどもの病気がきっかけで自然療法を学び、家庭で実践する中、ホメオパシーは家族全員の体調や心のケアに役立ってきました。とくに子供特有の病気、風邪や発疹、大人だと、たまにの食べすぎ、飲みすぎ(?!)などにも、随分と楽に助けてもらっています。
ホメオパシーは日本語で「同種療法」と訳され「同じようなものが同じようなものを治す」という考えが根幹にあります。これは日本の伝統的な民間療法にもある考えでわたしたちには身近なものです。例えば、熱が出たときには、玉子酒で、「熱」には「熱」を。熱を出し切る。のどの「ひりひり」する痛みには、しょうがの「ひりひり」を与えて、自己治癒力に働きかけます。つまり「気づき」を与えて、自分の力で心身のバランスをとりもどす療法なのです。
この同種の法則は、人間関係の中でも観察できます。例えば家族間でも、わたしの場合、こどものある態度が、非常に気に障って仕方がない。実はこどもは、自分の鏡で、自分の中に「気に障る部分」があって、そこに反応していたということがありました。それに気づいたとき、その腹立ちは解消しました。反応するのは、自分の中に、その要素があるからです。「気づく」ことが、心身に大きく作用すると体験できました。このように「同種の法則」は、日常のいろんなシーンで発見できます。
さてホメオパシーの場合、この「気づき」に、レメディと呼ばれる砂糖球(ドイツ語でグロブリ)が使われます。砂糖玉をとるだけなので、誰でも、気軽にとりいれられるのがホメオパシーの魅力です。

ホメオパシーのレメディは薬草などの植物、鉱物、動物などから作られます。限りなく物質を薄めて振るという工程を繰り返し、最終的には、現物質はほとんど残りません。それがなぜ作用するのかというと、不思議ですが、その物質のもつ同種の「気」が、体に気づきをあたえ、自己治癒力によってバランスを整えるという考えです――。世界的にホメオパシーが認められているのは、200年の実践と臨床結果からなのです。
古代ギリシャでは、人間は、体、心、魂の三位一体で、バランスが崩れると、病気になると考えられていました。日本の「気」の概念や、日本古来の万物に魂が宿るという意識と共通したものですから、ホメオパシーという自然療法は、日本人には本質的には理解しやすいと感じます。
しかしホメオパシーを理解するのに一番必要なのは、実は、病気へのとらえかた、考え方です。
病気は「外」からくる悪者でしょうか?病気になるのは、ウイルスや菌が体に侵入してきて、大暴れするからです。なぜ、そうなるのか?流行性の風邪などの病気のときに、必ずといっていいほど毎回、かかる人もいれば、平気な人もいます。風邪や季節の病気は、体や心のために自然な浄化作用で、心、体、魂からのメッセージだととらえます。菌もウイルスも「悪者」ではないのです。
まずは「なぜ?こんな症状?」と生活習慣や自分の体、心、魂を見つめなおす必要があります。

体や心を土壌にたとえると理解しやすいかもしれません。自然農(農薬や肥料をあげない農法)では、農薬をやめ、自然農に切り替えた際に、最初の年などは、作物に異様に害虫や菌が発生することが往々にしてあるそうです。しかしその虫や菌たちは、弱った土壌や作物を元の自然な状態に戻すために発生しているのです。体が土壌であれば、風邪等も「内」に問題があるので、必要あって引き寄せられているのです。それを無視して薬で対応してばかりいると、老廃物が蓄積され、ひどい病気を作り出します。抑えるのではなく、かかりきることが大切なのです。
いざというときに、現代医学の恩恵である抗生物質や特効薬が効かない・・・というのは残念です。
(だったら、わたしはもう、薬をたくさん飲んできたから遅いんじゃないの?)
(もう年だし、今更・・・)
心の声が聞こえてそうですが、何歳でも、それは関係ありません。今から、で。それこそが、人間がその一部でもある、大自然の持つ神秘の力だと、わたしは感じます。汚染された土がいつしか自然に還り、美しい野の花を咲かす様に、わたしたち人間の体や心が自らを癒す力も計り知れないもの。
ホメオパシーのレメディは、体に負担をかけることなく、自然にやさしく働きかけます。ドイツの薬局では気軽に手に入れることができますし、医師が処方することもあります。

ドイツに暮らすというのは、ホメオパシーなどの様々な自然の恩恵から生まれた療法に出会ったり、大いなる自然そのものに身近に触れる良い機会だと感じます。ぜひ、その自然の力を自ら体験してみてください。

 

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ライプチヒにあるハーネマンの記念碑

 

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ドイツでは医師も処方するホメオパシー 家庭の薬箱です

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ドイツではホメオパシーは薬局で気軽に購入できます