自由コラム

真夏の12月

瞬く間に月日が流れ、今はまた私の好きな季節となっている。すでに大木は、その大きな体から葉を全て落とし終えた。お蔭で、今まで見えていなかった隣家の庭が見えている。街は着膨れした人やクリスマスの飾りなど、この時期ならではの風景を映し出している。
ところで以前、私の人生において「寒い12月」を覆す体験があった。7年前ケニアに赴任した時の事だ。12月の南半球は真夏の太陽に満ちている。サマードレスにサンダルを履き、プールサイドで迎えるクリスマスには荘厳さも重厚さもない。陽気なサンタは振り返れば黒人のオジサンだ。店先に飾られている、馬小屋に眠るキリスト像や、それを囲むマリアやヨハネ、3人の賢者像も、みな黒人だった。窓の外を見れば、色鮮やかな花が目に眩しく、そこにはまた巨木にしがみつく呑気なカメレオンや猿がいた。そうだ、あんな愉快な真夏の12月があった!そんな事を思い出しては一人で陽気な気分になっている。

編集委員 相馬 邦子