耳よりコ-ナ-生活編

やじ馬訪問レポート

S子と仲間たち Großmarkt 蚤の市に行ってみるの巻

先日、こんな記事を見かけた。どこの国だったか、蚤の市で安く手に入れた小さな茶碗を、長い事居間に飾っていた老夫婦が、ある時ふと思い立って専門家に鑑定してもらった所、なんと宋の時代の貴重な茶碗であり、値段がつけられないほど高価な物という事が分かったそうだ。これを読んで思い出した! 私もかつては滞在した国で蚤の市に足繁く通ったものだ。そしてあの時にあれこれ買い集めた物が家のあちこちに転がっているではないか。
半世紀前のオーストリア製の台所用品。100年前の鉄製のアイロン。錆びてオレンジ色に変色している鍵の束。それから色々な形の蝋燭立て…あぁ、ダメダメ、あれが宋の時代の茶碗と並ぶお宝とは到底思えない。こうなったらGroßmarktの蚤の市に行くしかない! という事で、Y嬢、K嬢と共に胸をときめかせて、日曜の朝早くから家族をほっぽりだして蚤の市に繰り出した。

普段は倉庫や青果市場、花市場などが並んでいるGroßmarktだが、月に一度の第二日曜には巨大な蚤の市の会場となる。幾つも並んでいる倉庫の中は勿論、屋外にも数えきれないほどの店が並び、溢れんばかりの品がこれでもかと山積みになっている。
Y嬢とK嬢は、目をぎらつかせて陶器ばかりを漁っている。今日彼女たちが目指しているのは、ロイヤルコペンハーゲンのイヤープレートらしい。「ふふん。驚くなかれ、私が狙っているのは、宋の時代の茶碗に並ぶお宝よ」と喉まで出かかったが、一応、こういう場では余裕で微笑むことにする。が、実は私の目は彼女達以上にぎらついていたかもしれない。それにしても、あまりに沢山の物があるので、そのうち自分が何を探しているのか段々分からなくなってきた…
お客の中には日本人らしき人も多く、実際、知り合いを数人見かけた。また、古くてしゃれた黒板を買っていた日本人女性に話しかけてみた所、既に4年ここに通い続けているそうで、「買う時には大体、値切り交渉をする」など、色々なノウハウを教えてくれた。なるほど、購入時にちょっと相手と値段交渉をしてみるのも蚤の市の楽しさなのだ。

その時点で、値切らずに既に何枚かの陶器を買っていたY嬢は、この話を聞いてからは、「次からは値切らなくちゃ。値切らなくちゃ」と目を三角にしておまじないのようにこればかり唱えている。K嬢はちゃっかりしていて、「あのおじさん、私が言う前に安くしてくれた!」と何度も言っている。私はと言えば、色々な情報で頭がパンパンになってきたが、宋の時代の茶碗には一向に巡り合えない…。それにしても、この蚤の市の会場の広い事、膨大な数の出店がある事といったら、想像以上だ。「このお店の物が気に入ったけれど、まず他も見てから、あとでまたここに戻ってこよう」と思っても、同じ所に戻ってくるのは至難の業かもしれない。大体、自分が今、何軒目の倉庫にいるのか、右に向かって歩いているのか左から来たのか、それすら段々分からなくなってくるのだ。
広い会場内には、トイレもあれば簡単な食事がとれるようなお店もあるので、家族連れで半日楽しむこともできるだろう。ただし、子供が迷子にならないよう、対策を練る必要があるかもしれない。また、延々と物色して歩いているうち、家族の誰かが疲れてきて、「もういい加減にして帰ろう!」と騒ぎだしたら、落ち着いて見る事が出来なくなる。だからこういう所はやっぱり家族はほっぽりだして、自分一人で楽しむのがいいのかもしれない。
聞けば、他の都市に比べ、特にデュッセルドルフの蚤の市での商品の値段は安いのだそうだ。Y嬢、K嬢が目の色を変えて買い漁っていたプレートだが、一枚10~6€と、お店によってバラつきは多少あったものの、私が今まで行った事のある蚤の市での値段に比べると、格段に安い。敷地内には十分な広さの駐車場(2€)もあるので、買った物をすぐに車に運ぶ事もできる。家具、雑貨、古着、毛皮、新品から古い物まであらゆる物が揃っているこの蚤の市はかなり楽しくて、一回行くと確実にはまってしまう。雨天でも倉庫内の出店があるので十分楽しめる。それでもほぼ屋外のような吹きさらしなので、これからの季節は暖かくして出かける必要があるだろう。‥ところで私が狙っていたお宝は見つかったのだろうか? ふふふ。それは秘密…。

Großmarkt蚤の市
(正式名称:Radschlägermärkte  http://radschlaegermarkt.de/
毎月第二日曜日/ 11時~18時
住所: Ulmenstr. 275(Großmarkt), Düsseldorf

文責  生活部 S子

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蚤の市ではしゃぐY嬢とK嬢